遺産分割協議書の書き方(換価分割・単独名義にして売却して代金を公平に分ける方法)
2025/02/17
はじめに
相続の遺産分割の協議がまとまった後には、「遺産分割協議書」を作成します。今回は、遺産分割の内容の一つである「換価分割」のテクニカルな方法として「不動産の名義を一人の相続人の単独名義にして売却し、その代金を公平に分配する方法」の遺産分割協議書の書き方をお伝えします。
遺産分割協議書の書き方(換価分割・単独名義にして売却して代金を公平に分ける方法)
遺 産 分 割 協 議 書
被 相 続 人 A(昭和〇年〇月〇日生)(令和〇年〇月〇日死亡)
最 後 の 本 籍 〇〇〇〇
最 後 の 住 所 〇〇〇〇
被相続人 A 死亡により開始した相続につき、遺産に関して相続人全員において分割協議を行った結果、次のとおり協議が成立した。なお、被相続人 A の相続人が、長女である甲 及び 長男である乙の2名であることを甲乙は相互に確認した。
1 下記の不動産は、換価分割を行うために、全て乙が単独で取得する。
2 乙は、本遺産分割協議成立から〇か月以内を目途に、同不動産を換価分割する目的で売却し、その売却代金から売却費用(不動産仲介手数料、契約書作成費用、登記手続費用、測量費用、建物解体が必要な場合は解体費用、残置物撤去・清掃が必要な場合はそれらの費用、その他売却必要経費)を控除した残金につき、甲乙各2分の1ずつの割合で分配する。
3 売却までに要する下記不動産の修繕費、固定資産税等の維持管理費用は、甲乙が各2分の1ずつの割合で負担し、譲渡所得税等の売却にかかる租税も同割合で各自の負担とする。
記
所 在 横浜市〇〇区〇〇〇
地 番 〇番〇
地 目 宅地
地 積 〇〇.〇〇㎡
所 在 同所〇番地〇
家屋番号 〇番〇
種 類 居宅
構 造 木造瓦葺2階建
床 面 積 1階 〇〇.〇〇㎡
2階 〇〇.〇〇㎡
以上
弁護士による解説
一般的に換価分割の方式をとる場合には、遺産たる不動産を「共有」名義にして売却する方法をとります。(相続コラム:遺産分割協議書の書き方(換価分割・共有にして売却する方法))
しかし、共有にして売却する方法ですと、実際に第三者へ売却できるまで、ずっと共有になった他の相続人と共同で売却手続きを行っていかなければなりません。
双方に不信感があると、せっかく良い買主が見つかっても、他方の相続人の協力が得られずに、売却がとん挫してしまうこともあり得ます。
そこで、上記のように相続登記の名義は単独の者として、その者が単独で売却手続きを行い、諸経費を控除した後に、残りの代金を公平に分配するという方法もあります。
この換価分割の方法によった場合には、単独名義となった方からすると、単独で機動的に売却手続きを進めることができるという大きなメリットがある反面、他方の相続人からすると、次のようなデメリットがあります。
① 売却手続きに関与できないため、いくらで売却されるか不透明
② 売却後に、代金がしっかりと分配されるか不安がある
③ 単独名義となった相続人が、不合理な理由で売却をしなかった場合に、単独名義のままとなってしまい、トラブルに発展する
他方の当事者からすると、単独名義にしての換価分割については、以上のようなリスクもありますので、慎重な検討が必要になります。
最後に
遺産分割をどのような内容とするかは、現物分割、代償分割、換価分割をうまく組み合わせて、柔軟な発想で進めていく必要があります。(相続コラム:遺産分割協議書の書き方(代償分割))
当事務所では、弁護士・司法書士の豊富な経験から、可能な限り最適な遺産分割協議方法をご提示しています。
遺産相続問題でお困りの方は、お一人で悩まずに、ぜひ当事務所へご相談ください。
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