遺産分割のトラブル

相続トラブルが生じたら、どうすればよいか?

相続が生じると、遺産をどのように分割するか協議をする必要があります(この協議を「遺産分割協議」といいます)。
この遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があるため、一人でも協議内容に同意しないと遺産を分割することができません。
 

遺産分割協議がまとまらない原因は様々ですが、特によく相談がある例としては、次のような問題があります。

 

① 相続人間の感情的な対立があって話し合いができない

② 他の相続人に連絡が取れない/連絡しても返信がない/音信不通である
(解決事例「全く連絡が取れない姉弟との遺産分割を成功させた事例」)

 

③ 不動産の分け方で話し合いがまとまらない

④ 不動産名義が昔の故人(例えば先々代の名義)になっていて相続人がとても多い

⑤ 特定の相続人が生前贈与を受けていて不公平だ特別受益の問題)


⑥ 色々と故人の面倒を見たのに、他の相続人と平等では納得がいかない寄与分の問題)(コラム「療養看護型の寄与分の実例」)


⑦ 遺産の使い込みが疑われる事案

遺産分割トラブルの解決方法

色々な理由で、相続人間で遺産分割の話し合いがまとまらない場合は、ぜひ弁護士へご相談ください。
当事務所では、まずは丁寧にお話しをうかがい、様々なノウハウを活かして、解決までの道筋を考えます。

解決の方法は、まずは「示談交渉」から始めますが、裁判外での解決が困難な場合には、家庭裁判所へ「遺産分割調停」を申立て、裁判所の関与の下で、解決を図ることを検討します。
(解決事例「父と母が立て続けて亡くなった場合の遺産相続トラブルを解決した事例」)

弁護士をつけるタイミングは難しいと思いますが、弁護士をつける(交渉の窓口を弁護士にゆだねる)ことで、まず依頼者の方のストレスが軽減されますし、感情的にならずに法律に沿った交渉・主張を行うことができますので、結果として依頼者の方の利益が大きくなり、時間的にも迅速な解決が望めるものと思います。

遺産分割の話し合いがまとまらない・話し合いができない場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

法的知識・ノウハウを活かして相続問題を解決する

相続問題は、複雑で、問題点も多岐にわたりますので、柔軟な発想で解決を図る必要があります。

相続で多くの場合に問題となるのが、不動産の分割方法です。
遺産分割の方法としては、(ⅰ)現物分割、(ⅱ)代償分割、(ⅲ)換価分割の3つの手法があります。
(解決事例「遺産たる土地について測量・分筆をして遺産分割をまとめた事例」)

この内(ⅱ)の代償分割というのは、遺産である不動産を特定の相続人が取得し、この相続人から他の相続人にお金(代償金)を支払うという分割方法です。
(解決事例「不動産価額に争いがあったため不動産鑑定を実施し代償分割で解決した事例」)

(ⅲ)の換価分割は、遺産たる不動産を売却して現金に換えて、これを各相続人に分配する方法です。
(解決事例「先妻の子と相続争いを換価分割で解決した事例」)
(解決事例「母と妹と対立した遺産分割において換価分割で不動産を売却した事例」)

これらの分割方法について硬直的な考え方しかできないと、なかなかうまく遺産分割をまとめることができません。

当事務所では、その相続の問題点を把握し、事案に即した分割方法を選択することで、迅速な解決を目指します。

また、最近は、不動産(主に土地)の名義が例えば先々代の方のままの名義になっていて、相続人が多数おり遺産分割ができないケースのご相談が増えています。

このような場合に、当事務所でよく用いる手法としては「相続分譲渡」があります(「相続分譲渡」とは、ある相続人が持っている相続の権利を譲渡してもらうことを言います)。
多数の相続人の中には、その相続問題に関心がない(関与したくない)方もいますので、そのような方からは、先に相続分譲渡をしてもらい、できるだけ当事者を少なくしてから問題解決に挑みます。
(解決事例「先々代の名義になってしまっている不動産を名義変更して売却までつなげた事例」)
(解決事例「10数年前の相続について、不動産の一部が相続登記漏れになっていた事例」)

このように、相続問題の解決には、様々な法的知識やノウハウが必要です。

特別受益と寄与分の問題

故人から特定の相続人だけが大きな生前贈与を受けていた場合には、「特別受益」の問題となります。
例えば、兄弟の中の一人だけが、父親からマンション購入費用として多額の生前贈与を受けている場合等が「特別受益」に当たります。
この場合には、その生前贈与額を遺産総額に組み入れて(これを「持戻し」と言います)、各相続人の相続分を計算し、最終的には、生前贈与を受けた相続人の相続分から、その額を引くという計算をします。

これは、その生前贈与が、遺産の前渡しと同視できるためです。

このように法律は、相続人間で不平等とならないために、「特別受益」という規定を設けています。
 

次に、相続人間の平等を図るための法規定として、「寄与分」というものがあります。
これは、故人の資産の維持・形成に「特別の寄与」をした相続人がいる場合に、その分が「寄与分」として、寄与をした相続人の相続分に上乗せされるというものです。

これは「特別」の寄与ですので、親族として通常に求められる程度の行為では足りません。

 

寄与行為には様々なタイプがありますが、代表的な態様として、次のような態様が挙げられます。

(1)家業従事型…相続人が親(被相続人)の家業に、無報酬に近い状態で長年、従事した

(コラム「家業従事型の寄与分について」)
(2)金銭等出資型…被相続人に対して、不動産購入資金の援助等、多額の金銭を支出した
(コラム「金銭等出資型の寄与分について」))
(3)療養看護型…相続人が無報酬に近い状態で、被相続人の介護等を行った
(4)扶養型…無報酬に近い状態で、被相続人を継続的に特別に扶養した

以上のようた態様が典型例ですが、「療養看護型」でいえば、例えば、要介護度2以上の親を無報酬で一定期間にわたり自宅介護した等の寄与行為があれば「寄与分」が認められる可能性があるといえるでしょう。

(コラム「療養看護型の寄与分の実例」)

遺産の使い込みが疑われる場合は、どうすればよいのか?

相続トラブルの原因としては、遺産の「使い込み」が疑われる事例があります。
(解決事例「数次相続によって相続人となった兄嫁と子を相手にした遺産分割の事例」)

明確に「使い込み」と言えないまでも、故人と同居していた相続人の場合には、遺産を目減りさせてしまい、相続開始後に他の相続人とトラブルになるケースがあるのです。

このような場合には、まず故人の預貯金の取引履歴を金融機関に発行してもらい、預貯金引出しの事実を確認することから始めていきます。
なお、相続人全員の協力がないと預貯金の取引履歴が取れないと誤解されている方がいますが、取引履歴は、相続人一人の権限で金融機関から取得できます。

明らかに不適切な預貯金の引出しが確認できた場合には、これを引出し行為を行った相続人へ請求していきます。
請求の法的な構成としては、不当利得や不法行為として請求していくか、または、使い込み分を前述の「特別受益」と構成して主張することもあります。

ただし、この使い込みの問題は、非常に立証が難しいのが現実ですので、使い込みの「疑い」ではなく、しっかりと第三者の目で見てわかる証拠の収集が必要となります。

反対に、「使い込み」を疑われてしまっている相続人の方からのご相談もあります。
同居をしていれば、ある程度はお財布が一つになることはありますし、また、故人から頼まれてお金の管理などをしていることもあります。
このような場合には、しっかりと金銭管理の実態を述べて「使い込み」ではないことを主張していきます。なお、後々、他の相続人から「遺産を使い込んだ」と言われないために、故人の生前から何にいくら使ったのか、資料を残しておくことも大切です。

このようなトラブル・問題がありましたら、是非ご相談ください。
(解決事例「預貯金の無断引出し(使途不明金)を調査し、認めさせて解決した事例」)

相続トラブルが生じた場合には是非ご相談ください

相続に関するトラブルは、多岐にわたり複雑であるとともに、財産額も多額ですので、しっかりとした法的知識に基づき対処する必要があります。

上記問題は典型例です。

これらの問題以外にも相続に関するトラブルが生じた場合には、是非、当事務所の弁護士にご相談ください。

 

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