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遺言書と遺産分割協議書を組み合わせて解決した事例

事 例

母が亡くなり、相続人は子3名です。
自筆証書遺言が残されており、「不動産はAに相続させる。株式はBに相続させる。預貯金はCに相続させる。」という内容が記されていました。

その他の遺産としては、証券会社口座にあるMRFと相続開始後の株式配当金が被相続人の預貯金口座へ入金されていました(相続開始から数年が経過していました)。

Bから「遺言の趣旨からして、株式はもちろん、MRFと株式配当金も取得したい」と依頼を受けました。

示談交渉での解決

自筆証書遺言を検認後、まず、遺言書を用いて、証券会社へ「本遺言の趣旨は、そちらの証券で管理する株とMRFをBが相続するという趣旨だ」と主張して、この証券会社預りの株式とMRFの移管手続きを求めました。

証券会社は、当初、「遺言によって、株式銘柄が特定されていないので、株式の移管手続きには応じられない。MRFは、分類上は、投資信託であるので遺言に書かれている『株式』に該当しないため解約には応じられない」と、当方の主張を全部否定してきました。

これに対して、弁護士から、訴訟提起をする旨を伝えたところ、証券会社は、「株式」の部分については、遺言による承継を認めて、訴訟を提起することなく、証券会社からの移管手続きが完了しました。

残すは、証券会社預りのMRFと、既に被相続人の預金口座へ入金されてしまっている相続開始後の株式配当金の問題です。

この点については、他の相続人2名と交渉をし、遺言書とは別に、MRFと相続開始後の株式配当金はBが取得するという内容の遺産分割協議書を作成しました。

この遺産分割協議書を用いて、再度、証券会社へ交渉し、MRFの解約に成功しています。

また、既に被相続人の預貯金口座へ入金されていた株式配当金については、遺言上、預貯金を相続するとされていたCから配当金と同額の支払を受けることで解決しています。

弁護士コメント

自筆証書遺言(手書きの遺言)については、記載がとても曖昧であったり、遺産の全てが網羅的に記載されていないこともあり、しばしば、相続後にトラブルが生じます。
(したがって、弁護士としては、やはり「公正証書遺言」の作成をお勧めしています。)
(遺言書の作成・その他生前対策(公正証書遺言のおススメ)

また、自筆証書遺言の記載が曖昧・不明確であったりすると、金融機関(銀行や証券会社)は、相続人の一人からの解約手続き(移管手続き)に応じない傾向があります。

相続人から金融機関へ請求しても、頑として金融機関が手続きに応じない場合でも、弁護士へご依頼をいただき、正しい法的見解を述べ、訴訟提起を前提に交渉することで、金融機関が解約手続きに応じることは多くありますので、このような場合にも、是非、弁護士へご依頼ください。

また、遺言書に遺産の全てが網羅されていない場合には、遺言書に記載されていない遺産については、別途、遺産分割協議が必要となる場面があります。

この場合には、「法定相続分」、「特別受益」、「遺留分」などを考慮しながら適正な遺産分割内容とする必要がありますので、大変複雑です。

このようなケースにも、弁護士へご依頼いただく方が良い場合がありますので、是非ご相談ください。

(なお、本件は、あくまで実際の事例を改変してフィクションとしたものを「解決事例」としてご紹介するものです。)
 
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